ミナモデザインという名前について

水面(みなも)は、空と大地のあいだにある、ひとつの境界であり、出会いの場所です。
太陽の光を受け、月を映し、星をやどし、風にそよぐ。
水面は自分だけの色を持たず、その時々の空を映しながら、静かに季節を移していきます。


朝、東の空にのぼる太陽を拝み、夕方、西に沈む太陽に感謝する。
そんな一日一日の繰り返しもまた、水面が毎朝・毎夕、違う表情の空を映し続けることと重なります。
同じ太陽が、昇るときも沈むときも、水面の上にそっと光をたたえていく。

その奥には、目には見えない深さがあります。
海は広く、静かで、すべてを受け止める懐の深さを持っている。

ミナモデザインという名前には、
その「映しながら、深くたたえる」という水面の在り方を、ものづくりの姿勢として重ねています。


屋久島に降る雨を思い浮かべてみます。
雨は森の土に染み込み、木々を育て、木々は根を張ってその水を吸い上げ、蓄えます。
土から滲み出た水はやがて小さな流れになり、川となって山を下り、海へとたどり着きます。

海に流れ込んだ水は、プランクトンによって浄化されながら循環し、
太陽の熱を受けてふたたび空へと蒸発していきます。
空に上がった水蒸気は雲になり、時に光と交わって虹をかけ、また雨となって地上に降り注ぐ。

雨は土になり、土は木になり、木は水を抱き、水は海になり、海は空になり、空はまた雨になる。

この途切れることのない循環は、まさに生と死が繰り返される自然そのものの姿です。

ミナモデザインが作品やプロダクトを通して届けたいのは、
この「めぐり」の中に人もまた組み込まれているという、静かな実感です。


森の中で私たちが感じる清々しさには、理由があります。
樹木は自らを守るために「フィトンチッド」と呼ばれる香りの成分を発散しており、
この香りが、心を落ち着け、深呼吸を誘うと言われています。

ヒノキやクロモジなど、日本の森から生まれる和精油は、
この森の恵みをそのまま暮らしに持ち帰るための、いわば「小さな森」です。
ミナモデザインがルームミストに国産精油だけを選んでいるのは、香りを通じて、
森が本来持つ循環とやすらぎを、
部屋の中にも宿したいと思っているからです。


太陽・月・星・風・木・水面・海——
これらはすべて、ひとつの大きな循環でつながっています。
何かが終わることは、何かが始まることでもある。
ミナモデザインは、この自然の循環を、絵画や植物、香りという形にして、
日々の暮らしの中にそっと差し出したいという想いから生まれました。

水面に映る空のように、見る人・使う人それぞれの心を静かに映し出しながら、
その奥にある深さへとつながっていく。
それが、ミナモデザインという名前に込めた由来です。